masao_nakagami_2001のパソコン徒然

主にコンピュータ関係をつれづれと書いているブログです。

ボロボロになったイヤーパッドのヘッドホン再生の話(ultrasone DJ1PRO)。

 


今回の話題は、ヘッドホンの純正品が手に入らなくなったイヤーパッド問題です。結論を一言で述べると「洗いましょう」です。

■前置き

下記で扱うのはultrasoneのDJ1PROという機種です。ウルトラな曽根さんが作った会社ではなくドイツ・ミュンヘンの会社です(「ウルトラゾーン」だそうですが「ウルトラゾーネ」ではないんか?)。スピーカーのような音場の再現とプロの疲労対策のニーズから創業した会社です。

DJ1PROは、2万円ほどのそこそこ高級なヘッドホンです。下の写真に見えている特許技術のステンレス板によって、独特の音場感や電磁波対策がされています。DJ用ということで側圧は強めですが、大型で頭と接する面積が広いからか意外と長時間付けていられます。デザインをみても想像出来ますが、基本的にデジタル音楽向きです。ですが、個人的にはクラッシックを聴いてもそれなりにおもしろいヘッドホンです(お勧めはしません)。

私の場合は、このDJ1PROの中古を5000円+税で手に入れたため、4000円以上するイヤーパッド交換をためらっているうちに廃番になっていました。純正イヤーパッドはもはや入手不可です。それでいてボロボロです。さてどうしたものか。

■本題(ヘッドホンの再生)

製品の企画段階からボロボロになるのがわかっていたのでしょうか。イヤーパッドは2組付属していました。あげくに本体も薄汚れています。表面のウレタン塗装のせいで汚れがこびりついています。白色だから余計に目立つ。イヤーパッドといい塗装といい、加水分解するウレタンをどうしてこうも使いたがるんだろう?

f:id:masao_nakagami_2001:20211101120217j:plain

イヤーパッドを外した状態です(イヤーパッドはパッドを少し回転させると取れます)。本体が汚いですが、汚い手でべたべたと触って使っていたわけではありません。

f:id:masao_nakagami_2001:20211101120219j:plain

頭頂部のクッションです。空気が抜けてヘナヘナ且つボロボロです。使っているうちに空気も抜けてしまうとは、もはや確信的ですな。クッションは両面テープで付いているだけですので剥がせば取れますが、片出しコードのヘッドホンの場合は、ケーブルがありますので剥がす際には断線に気をつけましょう。

f:id:masao_nakagami_2001:20211101120214j:plain

外したイヤーパッドと頭頂部のパッドです。ウレタンが加水分解してボロボロです。

f:id:masao_nakagami_2001:20211101120010j:plain

本体の汚れはアルコールを付けたキムワイプで取りました。今回はコロナ対策に購入したほぼ100%のエタノール(IPと書いてあるイソプロパノール入り、飲用不可酒税なしの安い方)を使いました。コロナ禍の店先にあるような70%タイプでも構いませんし、燃料用メタノールでも十分です。上の汚い写真と比較するとわかりますが、なかなかきれいに取れるものです。

ヘッドホンによっては、本体やロゴの印刷がアルコールに弱い素材で出来ているかも知れませんので、アルコールの使用は自己責任でお願いします。その場合は中性洗剤+水がお勧めです。それと、アルコールによる清掃中は火気厳禁です。

f:id:masao_nakagami_2001:20211101120012j:plain

パッドを洗って扇風機で乾かしているところ。水で洗うとボロボロのウレタンはほぼ取れます。そして、黒いのでわかりにくいですが、一番上にプラスチック製の嵌合部が見えています。DJ1proはそのようにはめ込み式なので汎用パッドは使えません。だから廃番の現在となっては、純正品を再利用するしかありません。

洗浄時にはめ込み式のプラスチックを壊すとおしまいなので、洗う際には割らないように気をつけましょう。黄色いのは中身のウレタンスポンジです。

f:id:masao_nakagami_2001:20211101120015j:plain

ウレタンスポンジを戻したところです。内側は接着でしたが洗った際に完全に取れてしまっています。ですから、パッドの内側を手縫いします。

f:id:masao_nakagami_2001:20211101120017j:plain

針と黒糸で手縫いしたところ。片側あたり7~8分でいい加減に縫いました。どうせ内側は目立たないし、自分が使うだけなのでいい加減で良いのです。

f:id:masao_nakagami_2001:20211101120020j:plain

いい加減に縫ったので微妙に黄色のスポンジが見えています。5年に一度くらいしか針と糸を使わない人間がいい加減に縫ったのでこんなものです。10分くらい掛けてう少し丁寧に縫えば黄色のスポンジは見えないでしょう(粗が見えるように、かなり明るめに撮影しています)。

f:id:masao_nakagami_2001:20211101120022j:plain

洗浄後の本体に取り付けたところで普通に撮影するとこんな感じ。外からは手縫いのいい加減さは見えません。黒に近い灰色のスウェード調のイヤーパッドに見えます。使った感じは、スウェードまではいきませんが、布パッドの感じで元よりも蒸れにくいので結構快適です。この上にカバーを掛けても良いと思います。音質は特に変化を感じません。表面処理よりもパッドの厚みの方が重要みたいです。

■結論

イヤーパッドが駄目になっただけでヘッドホンを捨ててしまうのはもったいなく思います。洗浄してボロボロのウレタンを落とせば、普通の布パッドになります。ボロボロベトベトイヤーパッドとは比較になりませんし、音質の点でも普通に使えます。

 

■おまけの写真(ELECOMEHP-OH100)

f:id:masao_nakagami_2001:20211101143155j:plain

だいぶ昔に処分品を500円以下で購入したELECOMのEHP-OH100です。写真に見える反対側なのでわかりませんが、蛍光の黄色の本体に灰色のイヤーパッドという独特なデザインの折りたたみヘッドホンです。

https://www2.elecom.co.jp/avd/headphone/ehp-oh100/

上記のエレコムのページにまだ商品紹介があります。黄色と薄茶と赤はイヤーパッドが灰色なのが見えます。全種類共通で、表面がボロボロになるタイプの表皮が薄いウレタンのイヤーパッドですね。

久しぶりに発掘したところ、やはりイヤーパッドの表面がボロボロになっていました。上記はイヤーパッドを外して水洗いして本体に取り付けた写真です。こちらは、DJ1proとは違って、イヤーパッドの内側も外側も縫ってあったため、水洗いでスポンジが飛び出すこともありませんでした。

表面のウレタンが灰色のイヤーパッドは中の布も灰色のようで、そのまま灰色の布イヤーパッドとして使えます。もともと布製イヤーパッドだったのではないかというくらい違和感が全くありません。テレビ番組視聴用としては通気性が良くて、むしろ、ウレタンを取り去った後の方が快適です。